インディペンデント・スピリット賞

インディペンデント・スピリット賞とは

この賞は、NPO団体であるFilm Independentによって開催されているインディペンデント系映画に対する賞です。1984年に設立されて以来、毎年アカデミー賞の前日に開催されています。授賞式の模様はIndependent Film Channelで生中継され、日本でも後日ムービープラスでその模様を放送しています。賞は作品賞や監督賞、俳優賞など他の賞でもみられるもの以外に、インディペンデント映画には欠かせない新人監督による作品や脚本に対する賞があります。50万ドル以下の制作費が掛けられた映画に授与する賞もあり、その賞には「フェイシズ」や「こわれゆく女」で有名なジョン・カサヴェテスの名前が冠されています。

対象作品の条件

①、上映時間が70分以上。②、ポスト・プロダクションを含む制作費が2000万ドル以下。③、所定の期間に1週間以上の商業公開がなされた、もしくは、以下の映画祭で上映がなされた作品。これらの条件を満たした作品が賞の対象となります。毎年委員会が対象となる作品を選び、会員が最終投票をして候補が選出されます。

条件の満たされる映画祭

  • ロサンゼルス映画祭
  • ニューヨークND/NF映画祭
  • ニューヨーク映画祭
  • サンダンス映画祭
  • テルライド映画祭
  • トロント映画祭

第23回インディペンデント・スピリット賞

「ONCE ダブリンの街角で」が外国語映画賞を受賞した、第23回インディペンデント・スピリット賞は、2008年2月23日に発表・授賞式が行われました。授賞式の司会は俳優のレイン・ウィルソンが務めました。候補の発表は2007年11月27日に、リサ・クドローとザック・ブラフによって行われました。最多候補作は「JUNO/ジュノ」で妊娠した10代の少女を描いた物語が評価され、作品賞を受賞しました。4候補にノミネートされたうち3部門を獲得したため、受賞数も最多となりました。監督賞は同じく最多候補作だった、病気の後遺症で左目の瞼しか動かせなくなった男性が綴った自伝本を映画化した「潜水服は蝶の夢を見る」が受賞しました。他に、ボブ・ディランを6人の俳優が演じた伝記映画「アイム・ノット・ゼア」、疎遠だった父親の看病をする事になった姉弟を描いた「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」の2本も最多候補でした。全4本の最多候補作品の内、「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」のみ作品賞の候補になりませんでした。今回から2006年に他界したロバート・アルトマンの名前を冠したロバート・アルトマン賞が新設され、「アイム・ノット・ゼア」が受賞しました。

ロバート・アルトマン

アメリカ合衆国ミズーリ州出身の映画監督です。マーティン・スコセッシ、ウディ・アレンと共に、アメリカの俳優から最も尊敬されている映画監督のひとりといわれています。1970年の「M★A★S★H マッシュ」が第23回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞して世界的な注目を浴びました。この作品は後にアメリカでテレビシリーズ化され、国民的な人気を博す作品となりました。その後も「ビッグ・アメリカン」「ショート・カッツ」など様々な作品で多くの賞を受賞し、2006年にはその功績が認められ、アカデミー名誉賞を授与されました。2006年11月20日にロサンゼルスの病院で死去しました。

第23回の受賞作

  • 作品賞・・・「JUNO/ジュノ」
  • 第一回作品賞・・・「ルックアウト/見張り」
  • ジョン・カサヴェテス賞・・・「Augusut Evening」
  • 監督賞・・・ジュリアン・シュナーベル「潜水服は蝶の夢を見る」
  • 主演男優賞・・・フィリップ・シーモア・ホフマン「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」
  • 主演女優賞・・・エレン・ペイジ「JUNO/ジュノ」
  • 助演男優賞・・・キウェテル・イジョフォー「Talk to Me」
  • 助演女優賞・・・ケイト・ブランシェット「アイム・ノット・ゼア」
  • 脚本賞・・・タマラ・ジェンキンス「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」
  • 第一回脚本賞・・・ディアブロ・コーディー「JUNO/ジュノ」
  • 撮影賞・・・ヤヌス・カミンスキー「潜水服は蝶の夢を見る」
  • ドキュメンタリー賞・・・「クレイジー・ラブ ストーカーに愛された女の復讐」
  • 外国映画賞・・・「ONCE ダブリンの街角で」監督:ジョン・カーニー(アイルランド)
  • ロバート・アルトマン賞・・・「アイム・ノット・ゼア」監督:トッド・ヘインズ

第23回の候補作

作品賞

  • 「潜水服は蝶の夢を見る」
  • 「アイム・ノット・ゼア」
  • 「マイティ・ハート/愛と絆」
  • 「パラノイドパーク」

第一回作品賞

  • 「パリ、恋人たちの2日間」
  • 「Great World of Sound」
  • 「Rocket Science」
  • 「Vanaja」

ジョン・カサヴェテス賞

  • 「地球でいちばん幸せな場所」
  • 「The Pool」
  • 「Quiet City」
  • 「Shotgun Stories」

監督賞

  • トッド・ヘインズ「アイム・ノット・ゼア」
  • タマラ・ジェンキンス「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」
  • ジェイソン・ライトマン「JUNO/ジュノ」
  • ガス・ヴァン・サント「パラノイドパーク」

主演男優賞

  • Pedro Castaneda「Augusut Evening」
  • ドン・チードル「Talk to Me」
  • フランク・ランジェラ「Starting Out in the Evening」
  • トニー・レオン「ラスト、コーション」

主演女優賞

  • アンジェリーナ・ジョリー「マイティ・ハート/愛と絆」
  • シエナ・ミラー「インタビュー」
  • パーカー・ポージー「ブロークン・イングリッシュ」
  • タン・ウェイ「ラスト、コーション」

助演男優賞

  • マーカス・カール・フランクリン「アイム・ノット・ゼア」
  • キーン・ホリデイ「Great World of Sound」
  • イルファーン・カーン「その名にちなんで」
  • スティーヴ・ザーン「戦場からの脱出」

助演女優賞

  • アナ・ケンドリック「Rocket Science」
  • ジェニファー・ジェイソン・リー「マーゴット・ウェディング」
  • Tamara Podemski「Four Sheets to the Wind」
  • マリサ・トメイ「その土曜日、7時58分」

脚本賞

  • ロナルド・ハーウッド「潜水服は蝶の夢を見る」
  • フレッド・パーネス&アンドリュー・ワーグナー「Starting Out in the Evening」
  • エイドリアン・シェリー「ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた」
  • マイク・ホワイト「ラブ・ザ・ドッグ 犬依存症の女」

第一回脚本賞

  • ジェフリー・ブリッツ「Rocket Science」
  • ゾエ・カサヴェテス「ブロークン・イングリッシュ」
  • ケリー・マスターソン「その土曜日、7時58分」
  • ジョン・オーロフ「マイティ・ハート/愛と絆」

撮影賞

  • モット・ハプフェル「ザ・サヴェッジス」
  • ミルトン・カム「Vanaja」
  • ミハイ・マライメア・Jr「コッポラの胡蝶の夢」
  • ロドリゴ・プリエト「ラスト、コーション」

ドキュメンタリー賞

  • 「Lake of Fire」
  • 「いま ここにある風景」
  • 「The Monastery」
  • 「The Prisoner or: How I Planned to Kill Tony Blair」

外国映画賞

  • 「4ヶ月、3週と2日」監督:クリスチャン・ムンギウ
  • 「迷子の警察音楽隊」監督:エラン・コリリン
  • 「レディ・チャタレー」監督:パスカル・フェラン
  • 「ペルセポリス」監督:マルジャン・サトラピ、ヴァンサン・パロノー