サンダンス映画祭

サンダンス映画祭の歴史

サンダンス映画祭はアメリカの映画祭です。ユタ州のスキーリゾート地で有名なパークシティで、1978年より毎年1月中旬から11日間に渡って開催されます。インディペンデント映画を対象としていて、数万人規模の観客を招き、約200本もの長・短編映画が上映されます。名称はこの映画祭を主催するロバート・レッドフォードが映画「明日に向かって撃て!」で演じた役柄サンダンス・キッドに由来しています。日本のNHKもスポンサーの名に連ねていて、世界中の映画ファンに注目されている映画祭です。

1978年、映画製作者たちをユタ州に惹きつけるのを狙いとして、俳優・映画監督のロバート・レッドフォードが「ユタ・US映画祭」として始めました。当初のメイン・イベントは古い映画の回顧展で、映画製作者らによるディスカッションなどが行なわれました。ですが当時すでにハリウッドの外で制作された映画群によるプログラムも含まれていたそうです。ユタ州で開催するのはレッドフォードがユタ州の住民であったためでした。

特徴

この映画祭が他を圧倒している点は、観客に映像作家、俳優だけでなく、配給会社の買い付け担当、弁護士、エージェント、マネージャーなど、ビジネス関係者が圧倒的に多いのが特徴となっています。とくに90年代半ばからは、ネクタイ・スーツ姿の携帯電話を持った観客が急増しました。この映画祭で有名になったクエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスのような人物を発掘し、契約しようとこの映画祭に現れ、ホテルロビーでは連日連夜、早朝まで買い付け担当や弁護士との会合が行なわれています。また、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「セックスと嘘とビデオテープ」「ソウ」などのインディペンデント映画を有名にした映画祭としても知られていて、ケヴィン・スミスやジム・ジャームッシュなどの映画監督もこの映画祭で知名度を上げました。

歴代受賞作品

グランプリ

  • 1984年「オールド・イナフ/としごろ」(Marisa Silver監督)
  • 1985年「ブラッド・シンプル」(コーエン兄弟監督)
  • 1986年「スムース・トーク」(ジョイス・チョプラ監督)
  • 1987年「ディックの奇妙な日々」(ゲイリー・ウォルコウ監督)、「月の出をまって」(ジル・ゴッドミロー監督)
  • 1988年「ヒート・アンド・サンライト」(ロブ・ニルソン監督)
  • 1989年「True Love」(ナンシー・サヴォカ監督)
  • 1990年「Chameleon Street」(ウェルデル・B・ハリス・Jr監督)
  • 1991年「ポイズン」(トッド・ヘインズ監督)
  • 1992年「イン・ザ・スープ 夢の降る街」(アレクサンダー・ロックウェル監督)
  • 1993年「パブリック・アクセス」(ブライアン・シンガー監督)
  • 1994年「What Happened Was...」(トム・ヌーナン監督)
  • 1995年「マクマレン兄弟」(エドワード・バーンズ監督)
  • 1996年「ウェルカム・ドールハウス」(トッド・ソロンズ監督)
  • 1997年「SUNDAY それぞれの黄昏」(ジョナサン・ノシター監督)
  • 1998年「スラム」(マーク・レヴィン監督)
  • 1999年「季節の中で」(トニー・ブイ監督)
  • 2000年「ガールファイト」(カリン・クサマ監督)
  • 2001年「The Believer」(ヘンリー・ビーン監督)
  • 2002年「Personal Velocity: Three Portraits」(レベッカ・ミラー監督)
  • 2003年「アメリカン・スプレンダー」(シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ監督)
  • 2004年「プライマー」(シェーン・カルース監督)
  • 2005年「Forty Shades of Blue」(アイラ・サックス監督)
  • 2006年「Quinceanera」(リチャード・グラッツァー、ウォッシュ・ウェストモアランド監督)
  • 2007年「Padre Nuestro」(クリストファー・ザラ監督)
  • 2008年「フローズン・リバー」(コートニー・ハント監督)
  • 2009年「プレシャス」(リー・ダニエルズ監督)
  • 2010年「ウィンターズ・ボーン」(デブラ・グラニク監督)
  • 2011年「今日、キミに会えたら」(ドレイク・ドレマス監督)
  • 2012年「ハッシュパピー~バスタブ島の少女~」(ベン・ザイトリン監督)

観客賞

観客賞は1989年より設立されました。

  • 1989年「セックスと嘘とビデオテープ」(スティーブン・ソダーバーグ監督)
  • 1990年「ロングタイム・コンパニオン」(ノーマン・ルネ監督)
  • 1991年「ワン・カップ・オブ・コーヒー」(ロビン・B・アームストロング監督)
  • 1992年「ウォーターダンス」(ニール・ヒメネズ、マイケル・スタインバーグ監督)
  • 1993年「エル・マリアッチ」(ロバート・ロドリゲス監督)
  • 1994年「Spanking the Monkey」(デヴィッド・O・ラッセル監督)
  • 1995年「ピクチャーブライド」(カヨ・マタノ・ハッタ監督)
  • 1996年「この森で、天使はバスを降りた」(リー・デヴィッド・ズロトフ監督)
  • 1997年「ハリケーン・クラブ」(モーガン・J・フリーマン監督)
  • 1998年「スモーク・シグナルズ」(クリス・エアー監督)
  • 1999年「季節の中で」(トニー・ブイ監督)
  • 2000年「Two Family House」(レイモンド・デ・フェリッタ監督)
  • 2001年「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(ジョン・キャメロン・ミッチェル監督)
  • 2002年「Real Women Have Curves」(パトリシア・カルドソ監督)
  • 2003年「The Station Agent」(トム・マッカーシー監督)
  • 2004年「そして、ひと粒のひかり」(ジョシュア・マーストン監督)
  • 2005年「ハッスル&フロウ」(クレイグ・ブリュワー監督)
  • 2006年「Quinceanera」(リチャード・グラッツァー、ウォッシュ・ウェストモアランド監督)
  • 2007年「さよなら。いつかわかること」(ジェームズ・C・ストラウス監督)
  • 2008年「The Wackness」(ジョナサン・レヴィン監督)
  • 2009年「プレシャス」(リー・ダニエルズ監督)
  • 2010年「ハッピーサンキューモアプリーズ」(ジョシュ・ラドナー監督)
  • 2011年「Circumstance」(Maryam Keshavarz監督)
  • 2012年「ザ・セッションズ」(ベン・リューイン監督)

映画ファン注目の映画祭

この映画祭は個人的に毎年楽しみにしている映画祭のひとつです。マイナーな自主制作映画を対象にしているため。ハリウッド大作とはまた違った、小規模作品ならではの良さがある作品が、毎年沢山発掘されています。とくに観客賞を受賞した作品は、どれもはずれがなく楽しめるものばかりです。ですが、マイナー作品を対象にしているため、受賞した作品でも日本での公開館数が極端に少なかったり、場合によっては公開されないといった場合もあるので、あの映画を絶対観よう!と決めていたのに物理的に観られなくてショックを受けるなんてこともしばしばあります。日本でもいろいろな映画祭が開催されていますが、どれも商業的な作品や超大作といわれる作品が多く、食傷気味になってしまいがちですが、そんなときはこの映画祭の過去の受賞作を見て、爽やかな気分に浸ってみてください。