U2

U2

アイルランド・ダブリン出身のロックバンド・U2は、1980年のデビュー以降、政治的な信条と渇愛を力強く歌い上げる作風で、世界的な人気を誇るバンドです。アルバムの総売り上げは、1億7000万枚を超えています。グラミー賞を22回獲得しており、これはロックバンドでは最多の記録となっています。2005年にロックの殿堂入りを果たし、「Vertigo Tour」が同年のコンサート収益1位を記録しました。これをうけて2011年6月、米経済誌「フォーブス」が「世界で最も稼いでいるミュージシャン」を発表し、1億9500万ドルを稼いでトップになったことが分かりました。

メンバー

  • ボノ(ポール・ヒューソン)・・・1960年5月10日生まれ。ボーカル、ギター担当。
  • ジ・エッジ(デイヴ・エヴァンス)・・・1961年8月8日生まれ。ギター、ボーカル、ピアノ担当。
  • アダム・クレイトン・・・1960年3月13日生まれ。ベース担当。
  • ラリー・マレン・ジュニア・・・1961年10月31日生まれ。ドラムス担当。

結成とデビュー

1976年、ダブリンのマウント・テンプル高校の掲示板にラリー・マレン・ジュニアがバンドメンバーを募集する張り紙を出しました。それをみたポール・ヒューソン、アダム・クレイトン、エヴァンス兄弟(兄ディック・弟デイヴ)が集まり、5人でアマチュア活動を始めます。バンド名は「フィードバック」や「ハイプ」を経て、ディック・エヴァンス脱退後の1978年に「U2」と決まりました。その後地元のタレントコンテストで優勝し、CBSアイルランドと契約します。1979年に限定シングル「U2:3」でデビュー。アイルランド国内で人気を得て、1980年にアイランド・レコードと契約を結び、メジャーデビューを果たしました。

特徴

結成した高校時代から既に35年以上経っていますが、デビュー前にジ・エッジの兄が抜けた以外は不動の4ピースバンドとして活動を続けているのが最大の特徴です。ギャラは貢献に関係なく四等分され、プライベートでもメンバーの家族を含めて常に連れ添っている姿は、仕事以外の付き合いがないバンドが多い中で非常に珍しく、「奇跡のバンド」と評されています。メンバーの中ではボーカルのボノの存在が目立つことが多くなっています。慈善活動かとしても精力的なボノは、愛の尊さを伝える姿勢や、社会問題に関与する行動など、ロックバンドとしての「生真面目さ」を一貫して持ち続けています。

音楽性

1980年から続く長い音楽活動の中で、あらゆるジャンルの音楽を取り込む試みを実行しており、バンドのイメージも時代ごとに様変わりしています。とくに1980年代と1990年代の全く異なる方向性については、ファンや音楽評論家の間に賛否両論を招きました。バンド初期の頃は、ポップ・ミュージックを毛嫌いしており、「聞くに値しない」と考えていました。そのためペット・ショップ・ボーイズがU2の代表曲である「Where the streets have no name」をハウス調にしてカバーした際、メンバーは激怒し、両者の関係が悪化しました。しかし1990年代に入ると、ハウスやシンセミュージック、ついにはポップ・ミュージックまでも積極的に取り込んでいきます。自身のアルバムに「POP」という名前をつけ、ペット・ショップ・ボーイズとも和解しました。ライブではABBAのメンバーと共演し、「Dancing Queen」をカバーするまでになりました。

社会派ロックバンド

音楽による社会問題提起に熱心で、宗教紛争や反核、人権、薬物依存症などについてメッセージ性の強い曲を発表しています。また、アフリカの発展途上国やエイズ問題などへのチャリティー活動にも積極的に参加しています。1983年に発売したアルバム「WAR(闘)」のオープニング曲「ブラディ・サンデー」では、北アイルランド問題の「血の日曜日事件」を取り上げ、IRAの活動を批判する立場を示しました。このため、IRA支持者から脅迫されたことがあります。1984年には、エチオピア飢餓救済を目指すバンド・エイドのチャリティーシングル「Do They Know It's Christmas」にボノとアダムが参加しました。その後、ボノはアフリカ諸国の経済的自立を支援する様々な国際的プロジェクトに関与しています。また、アパルトヘイトや軍事政権などの人権問題を取り上げることも多く、メンバーはアムネスティ・インターナショナルの活動にも協力しています。マーティン・ルサー・キング・ジュニアやアウンサンスーチーら人権運動家へのトリビュートソングも発表しています。また、2002年の第36回スーパーボウルのハーフタイムショーに出演した際には、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件の犠牲者全員の氏名をスクリーンに映し、追悼の意を表しました。バラク・オバマは彼らの功績を評価し、演説の際にU2の曲を使用しました。2009年1月にはオバマの大統領就任式祝賀コンサートに出演し、キング牧師へのトリビュートソング「プライド」「シティ・オブ・ブラインディング・ライツ」を演奏しました。

ディスコグラフィ

アルバム

  • 1980年「ボーイ」
  • 1981年「アイリッシュ・オクトーバー」
  • 1983年「WAR(闘)」
  • 1984年「焔」
  • 1987年「ヨシュア・トゥリー」
  • 1988年「魂の叫び」
  • 1991年「アクトン・ベイビー」
  • 1993年「ZOOROPA」
  • 1997年「ポップ」
  • 2000年「オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド」
  • 2004年「ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム」
  • 2009年「ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン」

ライブアルバム

  • 1983年「ブラッド・レッド・スカイ=四騎=」

ベストアルバム

  • 1988年「ザ・ベスト・オブU2 1980-1990」
  • 2002年「ザ・ベスト・オブU2 1990-2000」
  • 2004年「ザ・コンプリート・U2」(iTunes Store限定)
  • 2006年「ザ・ベスト・オブU2 18シングルズ」